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【事例付き】採用ブランディングとは?効果や役立つフレームワークも解説

2023.12.06

【事例付き】採用ブランディングとは?効果や役立つフレームワークも解説

近年は人材不足が慢性化しており、企業における採用ブランディングの重要性は今後も増していくと予想されます。

採用ブランディングとは、採用市場における自社のブランド力を高めるための戦略的アプローチのことです。自社の強みや魅力を発信して求職者の入社意欲を引き出したり、ミスマッチを防いだりするメリットがあります。

この記事では、採用ブランディングが注目されている理由や期待される効果を解説します。採用ブランディングに役立つフレームワークもあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。

採用ブランディングとは

採用ブランディングとは、求職者の入社意欲を高めるために「働く場所」としての企業イメージを向上させていくことです。ここでは、採用ブランディングの基礎知識として以下の3つを解説します。

  1. 活動内容
  2. 採用マーケティングとの違い
  3. 注目されている理由

それぞれ詳しく見ていきましょう。

活動内容

採用ブランディングの主な目的は、他社との差別化を図りながら企業の認知度を高めて、求職者に選ばれることです。そもそもブランディングとは、顧客の信頼感を高めるためのマーケティング戦略であり、3つの観点から価値提供について検討しなければなりません。

  1. 機能的価値
  2. 情緒的価値
  3. 自己表現的価値

採用ブランディングを高めるためには、具体的に以下の情報発信が必要です。

  • 企業理念やビジョン
  • 社風
  • 働きやすさ
  • 入社するメリット など

求職者に「この企業で働きたい」「働く魅力がある」などと求職者に認識してもらえるよう、戦略的なブランド構築が求められます。

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採用マーケティングとの違い

採用ブランディングと採用マーケティングは似ているものの、それぞれ異なる概念です。

採用マーケティングは、求職者の応募を促進するための具体的な施策を意味します。一方で、採用ブランディングは、より長期的な戦略として、企業のブランド価値を高めることに焦点を当てているのが特徴です。

採用ブランディングと採用マーケティングを同時に進めることで、採用活動の効率化を図れるでしょう。

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注目されている理由

採用ブランディングが注目されている主な理由は、以下の2つです。

  1. 優秀な人材を獲得するための競争が激化している
  2. 仕事選びの価値観が多様化している

近年、採用市場では、少子高齢化による人手不足が深刻化しています。

優秀な人材の獲得にあたって、企業が選ぶ時代から、今では求職者から選ばれる時代へと変化しています。そのため、企業はより一層の自社の差別化が求められるようになりました。

なお、就職先を選ぶ際には、給与水準や福利厚生だけでなく、企業風土や仕事のやりがいを重視する求職者も少なくありません。採用ブランディングによって広く情報発信することは、入社前の企業理解につながります。時代の変化やニーズに合わせて、自社の採用活動をより効果的に進めましょう。

採用ブランディングで得られる3つの効果

採用ブランディングで得られる効果として、下記の3つが挙げられます。

  1. 母集団の量と質が向上する
  2. 求職者とのミスマッチが減る
  3. 採用コストを削減できる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

効果①:母集団の量と質が向上する

採用ブランディングには、母集団となる求職者の量と質が向上するメリットがあります。

採用ブランディングによって一貫したメッセージを発信することで、企業の認知度が上がり、将来の就職先として検討してもらえる可能性が高まるからです。

競合他社との差別化ができていれば、求職者の企業理解を深められると同時に、より理想の人材に近い顕在・潜在求職者が集まるでしょう。

効果②:求職者とのミスマッチが減る

求職者とのミスマッチを減らせる点も、採用ブランディングで得られる効果の1つです。企業が社風や価値観について発信することで、求職者が入社後の働く姿をイメージしやすくなります。

企業の魅力を理解したうえで入社を希望する求職者が増えれば、入社後に「思っていた仕事内容と違った」「社風が合わなかった」といったミスマッチも起こりにくいでしょう。

効果③:採用コストを削減できる

採用ブランディングがうまくいくと、採用コストの削減にもつながります。採用ブランディングによって企業イメージが高まるメリットは、求人への応募数が増えるだけでありません。広告媒体に頼らなくても、求職者が集まるようになります。

また、採用ブランディングを強化できれば、従業員の定着率が改善します。求職者とのマッチング精度が上がることで、エンゲージメント(※)が向上するためです。

※エンゲージメント=企業への愛着・信頼感、企業理念への共感

結果として、従業員の定着率が改善すると欠員募集の必要がなくなり、採用コストを削減できます。

採用ブランディングで役立つフレームワーク3選

採用ブランディングは、基本的に5つのステップで進められます。

  1. 採用ニーズの明確化
  2. 採用市場における立ち位置の把握
  3. 採用コンセプトの立案
  4. 情報発信する手法の選定
  5. ブランドイメージの共有

ここでは、採用ブランディングを成功させるために役立つフレームワークを解説します。

フレームワーク①:3C分析

3C分析とは、3つの要素から自社の立ち位置を把握するフレームワークです。

  1. 顧客(Customer)
  2. 自社(Company)
  3. 競合(Competitor)

採用ブランディングの初期段階である、採用ニーズや採用市場における自社の立ち位置を分析するのに役立ちます。

下記の分析内容を参考に、自社や競合他社の強みや弱みを把握することで、採用ターゲットにアピールできる要素を洗い出すのがポイントです。

要素

分析内容

顧客
(Customer)

  • 採用市場における候補者数
  • 業界の求人倍率
  • 求職者が企業選びで重視する点 など

自社
(Company)

  • 業界内でのポジション
  • 独自の商品やサービス
  • 採用手法や採用状況
  • 待遇や福利厚生
  • 過去の採用実績 など

競合
(Competitor)

  • 採用市場で競合となる企業はどこか
  • 競合他社の商品やサービス
  • 競合他社の採用手法や採用状況
  • 採用ポジションの待遇や福利厚生 など

フレームワーク②:SWOT分析

SWOT分析とは、4つの要素から自社の部環境と外部環境を分析するフレームワークです。

  1. 強み(Strength)
  2. 弱み(Weakness)
  3. 機会(Opportunity)
  4. 脅威(Threat)

具体的かつ相対的に4つの要素を洗い出すことで、採用戦略を定めやすくなります。

なお、採用コンセプトの立案にあたっては、4つの要素を洗い出したあとでそれぞれの分析内容を掛け合わせるのがポイントです。例えば、強みと脅威を掛け合わせたり、弱みを強みに変えたりすると、競合他社との差別化が図りやすくなります。

要素

環境

分析内容

強み
(Strength)

内部要因

自社の強みとなるもの

  • 技術力
  • 商品やサービス
  • 職場環境 など

弱み
(Weakness)

内部要因

競合他社と比べて足りないもの

  • 事業規模
  • 人材
  • 知名度 など

機会
(Opportunity)

外部要因

自社の追い風となるもの

  • 技術開発
  • 規制緩和
  • 海外市場展開 など

脅威
(Threat)

外部要因

自社の向かい風となるもの

  • 規制強化
  • 競合他社の価格攻勢
  • 採用競争 など

フレームワーク③:4C分析

4C分析とは、4つの顧客側の視点でニーズを分析するフレームワークです。

  1. 顧客にとっての価値(Customer Value)
  2. 顧客の負担(Cost)
  3. 顧客にとっての利便性(Convenience)
  4. 顧客とのコミュニケーション(Communication)

採用ブランディングにおいては、「顧客」を「ターゲット人材」に置き換えて考えましょう。4つの要素を具体的に分析することで、自社の魅力やアピールポイントを明確にできるほか、情報発信する手法を選定するのに役立ちます。

要素

役立つ場面

分析内容

求職者にとっての価値
(Customer Value)

自社が持つ魅力の再発見

  • 待遇や職場環境はどうか
  • ワークライフバランスはどうか
  • 目指すキャリアを実現できるか など

求職者の負担
(Cost)

入社後のリスクや懸念点の分析

  • 人間関係に問題はないか
  • 昇進や昇給は期待できるか
  • 地方への転勤はないか など

求職者にとっての利便
(Convenience)

採用に要する手間や時間の想定

  • 応募にあたって何が必要か
  • 説明会や面接に向かう時間や費用はどれほどかかるか
  • 採用プロセスはスムーズか など

求職者とのコミュニケーション
(Communication)

コミュニケーション方法の分析

  • コミュニケーションの取り方は適切か
  • 求人情報はどこで得られるか
  • 質疑応答の機会があるか など

なお、弊社はWebサイト制作Webサイト運用からSNS運用コンサルまで、さまざまな情報発信チャネルを幅広くサポートしています。自社の採用ブランディングに適した情報発信を行いたい方は、ぜひ一度ご相談ください。

採用ブランディングに成功した企業の事例

最後に、採用ブランディングに成功した企業の事例を3つ紹介します。

【株式会社タニタ】

戦略・施策

  • 社員食堂を再現したレストラン「タニタ食堂」をオープン
  • 会社の方針切り替えて、新たな企業ブランディングに挑戦

成功のポイント

  • 社員食堂を世間に広めることで、企業の認知度が大きく飛躍
  • 志の高い求職者を集める採用ブランディングに成功

【株式会社SmartHR】

戦略・施策

  • 人材紹介エージェントからの脱却を目指し、採用活動を強化
  • 採用向けのメディアを立ち上げ、働き方を打ち出すコンテンツを中心に制作

成功のポイント

  • メディアを通じて会社の雰囲気を伝え、マッチング度を向上
  • 社員の働き方を紹介し、働きやすさをアピール

【株式会社メルカリ】

戦略・施策

  • 入社後のミスマッチをなくすことを採用活動の目標として設定
  • 採用ブランディングチームを置き、記事を制作・配信

成功のポイント

  • 社内での出来事をオープンに発信して、風通しの良さをアピール
  • 社員と話せるミートアップやSNS配信などを展開

いずれも企業の内側を外へ開示し、求職者へ親しみを持ってもらう点に注力していることが分かります。採用ブランディングを進める際は社内改善も同時に行い、既存従業員の満足度を高めることも大切だといえるでしょう。

まとめ:採用ブランディングは年々重要性が増している

採用は単なる人員補充ではなく、企業の成長に欠かせない重要なプロセスです。近年は、幅広い業種において人材が不足しています。そのため、採用ブランディングの重要性は今後も増していくといえるでしょう。

なお、弊社のWeb顧問サービスでは豊富な経験と実績を活かし、貴社に最適な採用戦略を設計します。効果的な採用手法を取り入れたい方は、Web顧問サービスの資料をぜひご覧ください。

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book この記事の監修者

澤田将司

株式会社ベイス 代表取締役社長

マレーシア、クアラルンプールで起業。
オンラインゲームプラットフォームや3大通信キャリアの公式コンテンツプロバイダーなどの事業を経て、2015年に実家の家業を引き継ぐ形で帰国。
現在は三重県四日市市で受託型のウェブマーケティング会社、株式会社ベイスを経営。

得意分野はコンバージョン率(お問い合わせ率)の高い企業のホームページ運用。
豊富な経験で培った徹底したデータ駆動のマーケティング戦略で、これまでに数多くの企業のウェブ戦略立案から実行までを手がける。

LINE社認定のパートナーでもあり、これまで運用した企業アカウント数は500を超える。

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澤田将司|ベイス代表取締役 澤田|ベイス社長@行きたくなるオフィス研究中 中小企業マーケティングラボ

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