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中国SNSのKOL・KOCとは?日本企業が取るべき施策や活用時の効果も

2025.03.31

中国SNSのKOL・KOCとは?日本企業が取るべき施策や活用時の効果も

日本企業が中国SNSを活用して商品・サービスを広めたいとき、必ず理解しておきたい用語がKOLとKOCです。
KOLとKOCは、インフルエンサーと同じような役割を持っています。
中国SNSではKOLとKOCを利用したマーケティングが主流となっており、活用することで効率的に成果を上げることも可能です。

この記事では、KOL・KOCとはどのような意味や特徴があるのか、解説します。
活用による効果や中国で主流のSNSについてもあわせて紹介するため、中華圏で自社の商品・サービスを広めたい方はぜひ参考にしてください。

KOL・KOCとは

KOL・KOCとは、SNS上でたくさんのフォロワーがいる、強い影響力をもった人のことです。
両者はまったく同じ意味ではなく、それぞれに定義があります。
ここではKOL・KOCの基礎知識として、以下の3つを解説します。

  1. KOL(Key Opinion Leader)とは
  2. KOC(Key Opinion Consumer)とは
  3. インフルエンサーとKOL・KOCの違い

具体的な違いをみていきましょう。

KOL(Key Opinion Leader)とは

KOLとは、自身がもつ「特定分野の知識・技能」を活かした専門的なコンテンツを発信して、多数のフォロワーを得ている人のことです。
例えば、以下のような人もKOLといえます。

  • スキンケア化粧品について解説する美容皮膚科医
  • 服のコーディネートを紹介するスタイリスト
  • 自作のレシピを紹介する料理研究家 など

KOLのフォロワー数は、媒体ごとで異なります。
中国版Instagramである「小紅書(RED)」でKOLと区分されるのは、専門性+フォロワー数1万人以上の場合です。
中にはフォロワー数が100万人を超えるトップKOLも存在しており、その影響力は絶大です。

専門性をもつKOLが商品を紹介することで、たくさんのフォロワーへ商品を知ってもらえます。
また、「この人がおすすめするならよい商品に違いない」と消費者の心理に作用し、商品の信頼性や購買意欲を高めやすくなります。

KOC(Key Opinion Consumer)とは

KOCとは、一般の消費者目線でコンテンツを発信して、多数のフォロワーを得ている人のことです。
KOLほどの専門性はなく、あくまでも一般人として自身が使った商品や体験について発信します。
媒体にもよりますが、フォロワーが数百人や数千人いる場合、KOCと区別されます。

一般人に近い立場であるKOCによるレビューは、消費者にとって信憑性が高く、信頼できる意見です。
KOCのレビューを参考にして購買を決める消費者もおり、見落とせない影響力をもっています。

インフルエンサーとKOL・KOCの違い

インフルエンサーとは「影響力をもつ人」を指し、厳密にはKOL・KOCも含まれます。
3つの違いは、下表の通りです。

インフルエンサー

KOL

KOC

本人の専門性

高い人も低い人も含む

高い

KOLより低い

コンテンツの特徴

多種多様

専門的な視点を含むハイクオリティなコンテンツ

消費者目線での親近感を感じるレビュー

フォロワー数

数千人~

数万人~

数百人~

経済圏

世界中

中華圏

中華圏

インフルエンサーという呼称は、InstagramやX(旧Twitter)など世界中で利用されているSNSで活動している人に当てはまります。

一方、KOL・KOCは中国のマーケティング用語であり、活動場所も中華圏で利用されているSNSです。
これには、中国政府によるインターネット規制であるグレートファイヤーウォールが関係しています。
グレートファイヤーウォールにより、中国ではSNS含む海外のホームページやアプリなどが利用できないため、独自のSNSが発達しました。

以上を踏まえると、KOL・KOCは中国版のインフルエンサーであると理解すると良いでしょう。

KOL・KOCを活用したSNSマーケティングで期待できる効果

KOL・KOCを活用したSNSマーケティングで期待できる効果について、以下の2つに分けて解説します。

  1. KOL施策の効果
  2. KOC施策の効果

それぞれ詳しくみていきましょう。

KOL施策の効果

KOLを活用した施策としては、「有償タイアップ」が効果的です。
有償タイアップとは、企業がKOLに有償で記事や動画などの投稿を依頼する方法です。
成功すると、以下のような効果を得られます。

  • 中華圏での認知拡大
  • 商品に対する信頼性拡大
  • KOLファンの購買促進

KOLの力を借りることで、数万人以上のフォロワーへ一気に商品を知ってもらえます。
自社のSNSアカウントのみで発信するより、スピード感をもって認知拡大できることが特徴です。
また、専門的な視点を含んだハイクオリティな商品紹介は消費者に信頼感を与え、KOLファンの購買促進に貢献します。

ただし、KOLに依頼する際の費用はフォロワー数や影響力によって違うため、選定の際には予算とのバランスを考えましょう。
例として、弊社で中国マーケティングを支援した際の予算感と想定効果を紹介します。

予算

200万

500万

1,000万

KOL・KOC

23名の小中規模KOL・KOC

2~3名の中~大規模のKOL + 複数のKOC

2名の大規模KOL + 複数のKOC

現地取材

なし

あり

あり

想定表示回数(PV)

30万~50万PV

60万~100万PV

150万~200万PV

想定エンゲージメント

3,000~8,000

8,000~20,000

20,000~50,000

下図は、日本で観光施設を運営する企業の事例です。
基本的には、表示回数(=ページビュー)数が増加するほど認知拡大効果が期待でき、購買促進につながります。

▼KOLピックアップの例

予算をかければかけるほど効果が出るようにも見えますが、ただKOLの規模や数を増やすだけでは思うように効果が出ないこともあります。
KOL施策で効果を出すためには、KOLの特徴や動画編集能力など複数の視点から評価して見極めることが大切です。

なお、弊社では、KOLのピックアップから戦略まで支援する小紅書(RED)運用サポートを展開しております。
中国でのSNS運用を始めたい方は、ぜひ一度ご相談ください。

KOC施策の効果

KOCを活用した施策では、「ギフティング」が効果的です。
ギフティングとは、企業がKOCに商品を提供し、実際に使ったレビューを投稿してもらう方法です。
KOCへのギフティングでは、以下のような効果が期待できます。

  • 商品を使った際の変化をリアルに想像できる
  • コンバージョン率が向上する
  • フォロワーの購買促進につながる

KOCのレビューは消費者にとって自分に当てはめて捉えやすく、自身が商品を使った際の変化をよりリアルに想像させます。
変化を想像することで「使ってみたい」「体験してみたい」と消費者の気持ちが動きやすくなります。
結果として、フォロワーの購買・申し込みを促進し、コンバージョン率向上につながるでしょう。

【KOL・KOC】日本企業はどちらに依頼すべき?

日本企業がKOL・KOCへ依頼する場合「どちらに依頼すべき」といった決まりはありません。
どちらかのみではなく、KOL・KOCの併用がおすすめです。

そもそもKOLとKOCは性質が違うため、商品・サービスによって効果の出やすさも異なります。
かかる費用も差があるため、予算に応じた戦略も必要です。
例えば、中国で化粧品を販売すると仮定した場合、以下のような流れが考えられるでしょう。

  1. 複数のKOCにサンプルを無償提供して、多くのレビュー投稿を集める
  2. 話題になった頃、影響力の高いKOLに有償タイアップを依頼して商品の信頼性アップを狙う
  3. さらなる認知拡大を狙い、複数のKOL・KOCに依頼する

この場合、KOCによるレビュー投稿の目的は、SNS上で「今話題の化粧品」という状態をつくることです。
興味関心をひいたところにKOLによる専門的な観点からの紹介をしてもらうことで、ブランドや商品の信頼性をアップさせ購買意欲を高めます。

このように、KOLとKOCは目的や状況に応じて依頼する順序や依頼内容を考え、使い分けることが大切です。
なお、弊社では、マーケティングに精通したプロによる小紅書(RED)運用サポートを展開しております。
中国市場へ自社の商品・サービスを広めたい方はお気軽にお問い合わせください。

KOL・KOCマーケティングが主流の中国SNS一覧

KOL・KOCマーケティングで活用できる主な中国SNSは以下のとおりです。

中国SNS

類似するSNS

概要

小紅書(RED)

Instagram

  • EC機能が搭載された口コミ投稿メインのSNS
  • 美容・ファッション・旅行の口コミ共有が活発
  • ユーザー数は3.5億人以上
  • ユーザーの70%が女性

微信(WeChat)

LINE

  • LINEのようなメッセンジャー機能がメインのSNS
  • ほかにもシェア機能、支払い機能を搭載
  • 企業アカウントや広告も活発
  • ユーザー数は13.4億人以上

微博(weibo)

X(旧Twitter)

  • 動画・画像を含むミニブログが投稿できるSNS
  • 拡散性が高いことが特徴
  • ニュースやトレンドをチェック可能
  • ユーザー数は8億人以上

抖音(Douyin)

TikTok

  • ショート動画に特化したSNS
  • 膨大なコンテンツからおすすめ動画を自動表示
  • ユーザー数8億人以上
  • 幅広い年齢層が利用

哔哩哔哩(bilibili)

YouTube

  • 動画共有のプラットフォーム
  • アニメやゲームを中心に幅広いジャンルが存在
  • 1日あたりの平均使用時間100分以上
  • 月間アクティブユーザー数3.4億人以上

各SNSでユーザー層やメインとなるジャンルに違いがあるため、自社の商品・サービスによって使う媒体を検討する必要があります。

まとめ:中華圏でSNS運用するならKOLとKOCの活用が必須

中国圏でSNS運用するなら、KOLとKOCの特性を理解したうえでの活用が必須です。
KOLとKOCでは影響力やターゲットに違いがあり、施策に必要な費用も違います。
そのため、自社の商品・サービスや目的に合わせて、KOLとKOCへの依頼を使い分けると効果的です。

なお、弊社では、KOL・KOCを効果的に活用した小紅書(RED)運用代行を展開しております。
以下は、実際にKOLを起用して、小紅書(RED)で施設を紹介した例です。

▼KOLによるレジャー施設紹介のRED投稿

▼KOLによる旅館紹介のRED投稿

寿亭の入り口

このように、最適な人材のピックアップから取材依頼、取材同行、拡散の監修まで承りますので、KOL・KOCのアサインはぜひベイスにお任せください。
サービス提供内容について詳しく知りたい方のために、小紅書(RED)運用サポートのダウンロード資料もご用意しております。

また、現在弊社では、中華圏でのマーケティングにも注力すべく小紅書(RED)運用担当者を募集しております。
マーケティングの前線で活躍してみたいという方は、ぜひ採用ページをご覧ください。

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book この記事の監修者

澤田将司

株式会社ベイス 代表取締役社長

マレーシア、クアラルンプールで起業。
オンラインゲームプラットフォームや3大通信キャリアの公式コンテンツプロバイダーなどの事業を経て、2015年に実家の家業を引き継ぐ形で帰国。
現在は三重県四日市市で受託型のウェブマーケティング会社、株式会社ベイスを経営。

得意分野はコンバージョン率(お問い合わせ率)の高い企業のホームページ運用。
豊富な経験で培った徹底したデータ駆動のマーケティング戦略で、これまでに数多くの企業のウェブ戦略立案から実行までを手がける。

LINE社認定のパートナーでもあり、これまで運用した企業アカウント数は500を超える。

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澤田将司|ベイス代表取締役 澤田|ベイス社長@行きたくなるオフィス研究中 中小企業マーケティングラボ

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